技術コラム
金型にクラック(ひび割れ)が生じると、成形不良が起こりやすくなり、さらにそれを放置していると金型寿命が短くなってしまいます。
射出成形金型のプロが、クラックの原因と対策について解説します。
金型のクラックとは?
金型のクラックとは、金型の表面や内部に発生するひび割れのことです。このクラックは微細なものから大きな亀裂まで様々で、金型の性能や寿命に大きな影響を与えることがあります。
射出成形金型においては、高温・高圧の条件で連続使用されるため、クラックの発生リスクが高まります。このため、早期の検出と適切な対策が重要です。
クラックの発生原因
射出成形金型におけるクラックは、時間の経過とともに様々な要因で生じることがあります。代表的な原因として、熱疲労、機械的応力、腐食などが挙げられます。
特に、高温・高圧条件での連続使用が続くと、金型の表面や内部に微細なひび割れが進行しやすくなります。また、不適切な冷却や材質の劣化によってもクラックが促進されることがあります。
クラックの検出と対策
クラックの早期発見は、製品の品質を維持し、金型の寿命を延ばすために不可欠です。定期的な目視検査や非破壊検査(NDT)を行うことで、微細なクラックを検出できます。
発見したクラックに対しては、修理(溶接や補修材の使用)や交換といった対策を講じる必要があります。また、製造プロセスの見直しや金型材質の改良も有効です。
予防措置としてのメンテナンス
クラックを未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスが重要です。適切な潤滑や冷却管理を行い、金型の表面温度を均一に保つことで、熱疲労を最小限に抑えることができます。また、使用する材質を選定する際には、耐久性や熱安定性を考慮し、長期間の使用に耐えるものを選ぶことが求められます。
射出成形金型のクラックは、避けられない課題ですが、適切な管理と対策を行うことで、その発生を最小限に抑えることができます。成形不良率を抑え、金型寿命を維持するためには、金型のメンテナンスと定期的な検査が欠かせません。
当社による大型射出成型金型のメンテナンス・修理
当サイトを運営する株式会社ホーエは、富山県に本社をおく射出成形金型メーカーです。
当社は、新型の設計・製作はもちろんのこと、他社製金型のメンテナンス・修理・改造についても多数の実績があり、緊急の要望にも対応できるよう、メンテナンス・修理専門のチームを設置しています。
特に、金型重量20トン、型締め力(成形機トン数)2,000トンまでの大型射出成形金型を得意としており、五面加工機やガンドリルマシン、1,300トンのトライ用成形機などを保有しております。
海外製金型や老朽型、図面が無い金型についてもお気軽にご相談ください。
【修理事例】金型意匠面のクラック修理
自動車部品メーカーのお客様より、「自動車部品向け金型の意匠面に大きなクラックが発生してしまっている」というご相談を頂き、修理対応を行いました。
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